虫歯になりやすい人はどんな人?
こんにちは、藤井寺市の歯医者、藤井寺駅南口アールズ歯科・歯周病クリニックです。
皆さま、虫歯対策はできていますでしょうか。
きちんと磨いているつもりでも、いつの間にかできてしまう人も多いのではないでしょうか。
2022年(令和4年)の歯科疾患実態調査では5-9歳だと虫歯がない人は97.5%、15-19歳だと55.1%、25-29歳だと15.8%です。
このように若い時の10-20年程度でほとんどの人が虫歯になってしまっています(これらは治療済のものも含まれています)。
全年齢で見ると虫歯の経験が一度もない人は12.8%でした。
そもそも虫歯とは?
虫歯は子供と大人の両方に蔓延する病気です。
虫歯は、歯垢内の細菌による発酵性糖質が歯の表面で酸に変換されることによって歯が溶かされることによって引き起こされます。
したがって、原因となる糖の減少とプラークコントロールの対策が重要です。
少し専門的な内容になります。
ヒトの歯は、主にリン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトで構成されています。
歯垢中の細菌が酸を作り出します。酸のpHは約4.3~4.8でそれはゆっくりと歯を溶解します。炭酸飲料やビールのpHは4~5ですので、それが常に口の中にあるような状態です。
歯の最も固い組織のエナメル質は、臨界pH(エナメル質の溶けるpHのこと)が5.5であることが知られていますが、歯垢の酸はこれより強いものとなります。
虫歯はどういった人がなりやすいの?
子供~青年
この年代の方の食事には糖分が多く含まれていたり、また歯磨きの時間を十分に取らなかったりと、歯垢の除去がしにくい時期です。
砂糖の量だけでなく、頻度も重要です。
歯磨きの技術が不十分な場合もあります。
矯正治療を受けている患者様
矯正器具、特に歯列矯正用のブラケットは、歯磨きを困難にします。
ブラケットは歯垢の蓄積を増加させ、虫歯のリスクを高めます。
マウスピース矯正は反対に虫歯になりにくいという報告もあります。
低石灰化の歯の患者様
エナメル質の低石灰化がしばしば起こることがあり、これが虫歯リスクを高めます。
多くの方に共通した症状に歯の知覚過敏があります。
これにより歯磨きが減り、歯垢が増加します。
さらに、エナメル質が弱いために、健康なエナメル質よりも早く溶けてしまいます。
唾液量が減少している患者様(唾液分泌低下)
唾液は歯を保護し、再石灰化する働きがあります。
唾液は糖の虫歯リスクを低下させますが、唾液が減少すると、酸の希釈ができず、緩衝能力が低下し、再石灰化を低下させるため、抗菌効果が低下します。
そのため虫歯リスクの増加につながります。
象牙質が露出している高齢者の方
歯周病などで歯茎が下がって露出した象牙質は、エナメル質に比べて酸に弱いため、虫歯を発症する傾向があります。
高齢者は、加齢や病気によって唾液の分泌が低下し、また身体の制限のために適切に歯を磨くことができないことも多いです。
この虫歯は、根面カリエスと呼ばれます。
まとめると、虫歯予防や、虫歯のリスクを減らす対策は、どの方にとっても重要です。
虫歯治療は早いほど通院回数や費用が少なく、削る量も少なくなります。炭酸飲料やビールの飲みすぎには注意しましょう。
□参考文献
Meyer F, et al. (2024). Caries Etiology and Preventive Measures. Eur J Dent.
当クリニックでは納得して治療を受けていただくために、丁寧なカウンセリングを行なっております。
セカンドオピニオンも随時受け付けております。
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