歯ブラシを交換しよう

   

こんにちは、藤井寺市の歯医者、藤井寺駅南口アールズ歯科・歯周病クリニックです。

歯ブラシの定期的な交換はしていますでしょうか。
きれいに見えるからと何ヶ月も使用している、1か月がよいと聞いたから月毎に交換しているなど人によって様々なのではないでしょうか。
広島大学の報告では歯ブラシの交換時期は、3カ月の回答が最も多く(37%)、以下6ヵ月(20%)、4~5ヵ月(18%)、2ヵ月(12%)、1ヵ月(7%)の順でした。1年以上交換していない人は6%でした。
そこで今回は使用後の歯ブラシの状況からどのくらいの頻度での交換がよいのか調べました。

長く使用した歯ブラシそのものが感染源になることがあります

ご存じの通り、歯磨きをすることは口腔衛生に非常に有効です。虫歯や歯周病だけでなく、インフルエンザや誤嚥性肺炎の予防にも役立っています。

しかし、歯磨き後の歯ブラシには様々な細菌やウイルスが付着しており、保管方法や場所を誤ると歯ブラシを使うことで(再)感染を引き起こしてしまうことがあります。保管場所として洗面所に置くことが多いのですが、水回りの細菌やトイレからの大腸菌が付着しているケースもあります。

歯ブラシにはどんな菌が付いているの?

ストレプトコッカス属などの虫歯菌やActinomyces属などの歯周病菌の他に、乳酸桿菌、放線菌、腸内細菌なども検出されています。菌の構成をみると、歯ブラシの使用者の口の中の状況と似るようです。
歯ブラシを流水下で洗浄してもミュータンス菌が残存し増殖することも分かっています(ミュータンス菌が歯ブラシに粘着し取れにくいため)。

また黄色ブドウ球菌も検出されています。これは歯ブラシを洗う際に手指に付着していた菌が歯ブラシ内で増殖しているとみられています。

歯ブラシの交換時期はどうすればいいの?

歯ブラシに付着している細菌量はその使用期間によって異なります。
約3か月までは菌の構成が大きく入れ替わりながら増加していきます。
しかし3か月以上経過すると細菌数がピークに達しますので、交換時期としてはそれまでにということになります。

当院では1か月ごとの交換をおすすめしています。

歯ブラシの保管方法は?

歯ブラシは湿度の高い場所で保管すると細菌の増殖が確認されています。 そのため、風通しのよい場所での保管がよいとされています。

また、使用後は水気を切ることも重要です。しかし、上述したとおり、虫歯菌の1つであるミュータンス菌は水洗いではあまり除去されにくいことから、洗口液や食酢(砂糖の入っていないもの)、機能水(次亜塩素酸ナトリウム)などで消毒するとよりよいとされています。

妥協的には流水下で強く洗う方法もあります(単なる軽い水洗いでは細菌の除去は見込めません)。歯間ブラシも同様の処置で大丈夫です。

□参考文献
Marc-Kevin Zinn, Laura Schages and Dirk Bockmühl. (2020) The Toothbrush Microbiome: Impact of User Age, Period of Use and Bristle Material on the Microbial Communities of Toothbrushes. Microorganisms.
香西克之ら, 小児における歯口清掃器具の洗浄と保管に関する細菌学的調査, 小児歯科学雑誌, 32(4):75, 1994
勝野由梨奈ら, 歯間ブラシの細菌汚染と洗浄方法・保管状態との関連について, 日本口腔保健学雑誌, 9(1):58-62, 2019

当クリニックでは安心して治療を受けていただくために、プライバシーに配慮した個室診療になるよう設計しております。
会話内容を他の患者様に知られたくないという方はぜひ当院へお越しください。



藤井寺駅南口アールズ歯科・歯周病クリニック:https://fujiidera-rs-dental.jp/

〒583-0027 大阪府藤井寺市岡2-7-18(松屋さん隣)

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