お口の健康が心臓に与える影響

こんにちは、藤井寺市の歯医者、藤井寺駅南口アールズ歯科・歯周病クリニックです。
歯周病はお口の中の問題に留まらず、全身の健康にも影響を与えます。
今回は歯周病と心血管疾患との関連性を報告します。
慢性的な炎症が心血管疾患(CVD:Cardiovascular Disease)のリスクを高めます
歯周病を含む慢性炎症がCVDの発症に関係する可能性があると報告されています。
CVDは心臓・血管など循環器における疾患で世界中でも比較的死亡率の高い疾患の1つです。具体的な疾患としては、虚血性心疾患、不整脈、心臓弁膜症、心不全などが挙げられます。
歯周病との関連では感染性心内膜炎が知られています。
歯周病が心臓に及ぼすメカニズム
歯周病とCVDの関連を説明するために、いくつかのメカニズムが提案されています。
歯のプラークから血流に入った細菌が、血小板の活性化、凝集、血栓症を誘発することが示されています。
口腔内の細菌の特にS. mutansとS. sanguinis(ともに虫歯菌の一種)による血小板の活性化は、局所的な血栓形成や炎症誘発性サイトカインの分泌につながります。
P. gingivalis(歯周病菌の一種)は第X因子、プロトロンビン、プロテインCを活性化することによりCVDを誘発し、血栓傾向(血栓ができやすくなる)と血管内血栓形成を促進することも示されています。
歯周病治療によって期待されること
これまでに報告されている歯周病治療によってCVDにどのような効果があるかのまとめです。(本参考文献より抜粋)
1日3回以上の歯磨きは心房細動、心不全のリスクを低下させる(Chang, 2020)
口腔内の清潔さは狭心症の発症率と関係している(Söder, 2016)
歯周病群では、非歯周病群と比較して心房細動、心房粗動のリスクが高い(Chen, 2016)
平均プラークスコアが高い場合、菌血症を発症するリスクが高かった(Lockhart, 2017)
歯石スコアの増加が心筋梗塞による死亡率と有意に関連していた(Söder, 2014)
など多くの報告があります。
他にもたくさんありますので気になる方は参考文献を一読下さいませ。
歯周病治療によってどれだけCVDの発症を軽減、改善させるかはまだまだ研究途上です。
しかし、多くの報告から口腔内を健康に保つことがお口の中以外の疾患にも予防効果があることは明らかです。
健康に不安のある方もまずはお口から整えましょう。当院ではそのお手伝いをさせていただければと存じます。
参考文献
Hopkins S, et al. (2024). More than just teeth: How oral health can affect the heart. Am Heart J Plus.

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